妊娠後安定期に入るとお腹も大きくなってきて安静にしていれば後は出産を待つのみです。パパも今か今かと赤ちゃんが産まれてくるのを楽しみに待っていることでしょう。
しかし、妊娠中は出産まで何が起こるかわかりません。その中でも非常に危険な症状が「常位胎盤早期剥離」という病気です。これは誰にでも起こり得る可能性があるもので、母子ともに非常に危険な状態に陥る非常に怖い症状なんです。
この症状が起こる確率は1%未満と低いのですが、ウチの嫁がこの症状を発症してしまいました。
そこで今回はこの常位胎盤早期剥離」について詳しく紹介していきたいと思います。
常位胎盤早期剥離とは?
常位胎盤早期剥離とは妊娠中に何かしらの原因で子宮の壁から胎盤がはがれてしまうという症状です。赤ちゃんは胎盤を通じてママから酸素や栄養をもらっています。その胎盤がはがれてしまうということになると赤ちゃんにとって非常に危険な状態になるということです。
また、赤ちゃんだけでなくママの体も危険な状態となります。胎盤がはがれることにより子宮内に悪影響を及ぼす物質などが入り込み血液が固まりにくい状態(DIC)となります。
これにより大量の出血となり出血多量によるショックや内臓機能に悪影響が出る恐れがあります。子宮の摘出をしないといけなくなったり、最悪の場合死に至るケースもあるようです。
常位胎盤早期剥離の原因は?
常位胎盤早期剥離は正確に原因を突き止めることが難しく、予想も非常に困難だと言われています。ただ、リスクとなるであろう要因がいくつかあります。その全てが常位胎盤早期剥離となるというわけではありませんが、リスクとして可能性があるということを知っておいてもいいでしょう。
1.妊娠高血圧症候群
2.胎児奇形や子宮内胎児発育遅延(IUGR)
3.早剥の既往
4.前期破水、感染
5.喫煙
6.交通事故などの外的刺激
常位胎盤早期剥離の症状や予防対策は?
常位胎盤早期剥離の症状は胎盤がどれぐらいはがれたのかによって重症度が変わってきます。と言われてもどれぐらい胎盤がはがれているのかんなて自分ではわかりません。少量の出血があり、止まらず持続的に出てきてしまう場合や陣痛とは違う持続的な痛みが続く場合はすぐにお医者さんに連絡しましょう。
ただ、必ず出血があるとも限りません。痛みに関しては陣痛の場合痛みに波がありますが常位胎盤早期剥離の疑いがある場合は痛みが継続して続きます。
いずれにしても少しでもおかしいと感じたらすぐにお医者さんに連絡しましょう。常位胎盤早期剥離は超がつくほどの緊急性を要する病気です。
非常に恐ろしい病気ですが原因がはっきりせず、予想もつかない常位胎盤早期剥離はこれといった予防対策がありません。ただ、喫煙を控えることや、なるべく外出を避けて外的刺激を受けないようにすることは出来るかと思います。
常位胎盤早期剥離の治療について
常位胎盤早期剥離と判断されたらすぐに赤ちゃんを出さなければいけません。症状の度合いにもよりますが緊急帝王切開になることもあります。胎盤がはがれているということはお腹の赤ちゃんに酸素が供給されていなということになりますので緊急を要します。また母体の出血も止まらなくなりますのでママの命にも関わってきます。献血しながらの対応になることもあります。
また、摘出された赤ちゃんはおそらくすぐに小児科の方につれていかれると思います。摘出までの時間はや症状の重さにもよりますが、緊急よ要する場合がほとんどです。赤ちゃんの状態も気になるところではありますが、ママの体も危険な状態であることを忘れずに。
ウチの場合は幸いにも症状が軽めだったこと、そして計画分娩のため入院していたのですぐに対応が可能だったこともあり大事には至りませんでした。しかし、赤ちゃんは産まれてすぐにMICUにつれていかれ2日間ほどそこで様子を見ることに。また、嫁も献血までにはいきませんでしたが、止血のための点滴を打って安静にしていました。
出産に立ち会う予定でしたがギリギリ間に合わず、到着とほぼ同時に分娩室から赤ちゃんの泣き声が聞こえてきました。すぐに分娩室へ案内してもらうと先生から「常位胎盤早期剥離」ということを伝えられました。突然言われても何それ?という感じでしたが先生は続けて丁寧に説明してくれました。不安にならないよう配慮しながらも事実をしっかり伝えようとしているのがわかりました。そして赤ちゃんは念のために小児科に移動して検査を行いますと言われ、数秒だけ抱かせてもらった後すぐに小児科へと移動させられました。症状がそこまで深刻な状態ではなかったとは言え、不安でたまりませんでした。嫁も赤ちゃんも何事もなく無事でいてくれと心より願っていました。
赤ちゃんは2日でMICUから通常通りママと一緒に過ごせるようになり一安心。検査の結果や経過観察も問題なしとのことでした。ただ、嫁の出血はしばらく続き、退院後もしばらく続きました。1~2カ月ぐらいは続くかもとお医者さんには言われました。退院後もしばらくは出血が続きつらそうでした。なるべく安静にしてもらい、買い物や家事は僕が出来るだけこなすようにしていました。
こんな病気もあるんだとその時に初めて知り、なぜそんな確率の低い病気になってしまったのかという戸惑いと、症状が軽くて良かったという安堵と様々な感情を抱いた経験となりました。